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第2回 杭州・上海(2002年6月19日〜6月22日)

2002年6月19日(水)

関西空港関西国際空港旅客ターミナルビル4Fに9時00分に集合。JTBの西村さんの受付で関空出発組31名遅刻もなく揃い、殆どの方が初対面 でおのおの名刺交換をしつつ搭乗手続き。前回の15名の時とは大違いで、その時は私一人でお世話できましたが、この大人数では一人ではとても無理。JTBの西村さんが添乗して下さり大いに助かる。JAL793便11時15分に上海に向けて出発。フライト時間は2時間。その中で、食事、免税品販売、入国書類記入等忙しい中、参加者の皆様にアンケート配布し、機中にて記入して頂く。設問は「今回のツアーに参加されようと思われた動機」と「訪問企業の若きリーダー達に質問したいこと」の2問でありました。「何でこんなことせなあかんの?」と言うような声が聞こえても、この視察は研修がメインでお遊び無しがうたい文句。それでも殆どの方から回収でき、記入内容もすばらしく参加者皆様の意気込み感じられ、これは真剣に、真面目に、体力の続く限りお世話しなくてはと再認識。土砂降りの上海浦東空港に、現地時間12時30分に到着。全員無事に通 関でき、これも「やまとカーボン社滝本社長」が普通の眼鏡にして戴いた為にすんなり通れました。ロビーにて14日より先発されておりました明文舎印刷商事株式会社中村彰男社長、コーディネーターの呂さん、馬さん、三菱重工香港の寺田さん、王さんと合流して、杭州に向けて出発。杭州迄はバスで約3時間。 この時間も無駄にすることなく、自己紹介と機中アンケートにお答えする形で中国の印刷事情を説明。「何で寝かしてくれへんねん?」と言うような声が聞こえても研修、研修。雨と高速道路の事故のため予定より、かなり遅れて杭州影天印刷到着。孫社長に出迎えて戴き、最初にデジタル撮影スタジオ見学。広いスタジオにはハッセルブラッドデジタルパック付きのカメラからストロボ機材まで揃い、モデル撮影から商品撮影までこなし、上海にはスタイリストという職業も存在すると聞きまず脱帽。ここで撮影データーはデザイン部門に送られ、即製版も可能。ここから、本社工場へ行くと私たちを歓迎する赤地に白文字の横断幕。私たちは本当に歓迎されていた。それも、杭州電視台のテレビ取材スタッフまでお揃いで、ついでにインタビューまで受け、「日本との差は全くない。すばらしい。」とお答えしておきました。日中友好第一精神を発揮して民間外交であります。ご自慢の製版設備を見学。サイテックスドラム・フラットベットスキャナ、イメージセッター、デジタルプルーフ、クレオ製CTP、インターネットホームページでの受注システム。日本でもここまでやっている会社は数少ない。最近でこそ中国大手でもCTPの話があるが、導入予定とかで本稼働しているCTPはめずらしい。印刷工場では、ハイデルベルク菊全4色機1台、三菱菊全4色機2台、無線、中綴じライン、スタール折り機、ミュラーマルチニ上製本機等自社で今後出版会社も興そうとされているだけあって、先を見据えた機械の選択。その後、会議室にて質疑応答。今回の視察団長であります、滋賀県印刷工業組合理事長代理、永昌堂印刷株式会社北村専務より、DICカラーガイドをお土産にお渡し戴く。後の訪問企業にはすべてDICカラーガイドを贈呈します。昨年度の売り上げ、4000万人民元。24時間交代で人員の対応は仕事量 に応じてフレキシブル。上海より人件費も安く、有利。杭州には芸術大学もあり文化都市であり、芸術性あふれた人材豊富。杭州政府のバックアップもあり、工業団地に新工場建設予定。

杭州政府の投資の説明がありましたが、孫社長の顔を立てるだけにして、長くなる話を短くして戴き、杭州料理の張生記へと向かいました。孫社長、工場長さんを交え会社にて質問できなかった事など等和気あいあいと進みました。 宿泊はホリディイン杭州。

6月20日(木)

今日も雨。上海周辺にも梅雨はあるらしい。モーニングコール5時30分、6時30分朝食、7時30分出発。杭州には西湖という風光明媚な観光地があるにも関わらず、上海に向けて出発。(私自身はお茶の博物館もあるし行ってみたかったのですが、又影天の孫社長に会うことも有るだろうし・・・)上海までは、約3時間の道のりを有効に利用し、昨日の杭州影天印刷の補足説明、本日視察予定の精英彩 色印刷・中華印刷(国営)・良虹印刷の説明。上海三亜(デザイン会社)は直前にキャンセルになったため急遽、前回お世話になったハートマンビジネス社に変更。時間の都合で、良虹印刷と2班に分かれての見学となることを説明後、グループ分け。デジタル武装した杭州影天と、CIP3など導入していない精英彩 色印刷の違い、国営の中華印刷と台湾資本の秋雨印刷との違い等を説明。中国のインキ事情をDIC京都支店吉木さんの資料から説明。パントンで色指定をするのが普通 で、日本とはプロセスインキの色相が違うためカラーマネージメントは必要。プロセスセットは欧州の色相になっているそうです。中国DICさんでは、日本用プロセスセットも用意できますと言うことです。今回訪問企業にはお土産としてカラーガイドを差し上げておりますので、もしお仕事を外注される場合はDICの色指定で行えます。ただし、中国の伝統色のご指定はご遠慮下さい(笑)。用紙については、日本製の対応については、紙商さんが進出していますが、本体価格の高値、関税の都合等で割高になる為、韓国製、中国製の使用が多い。平版で889×1194ミリというような韓国製の用紙を良くみる。このようなことを話しているうちに精英彩 色印刷に到着。即社長にお出迎えいただき、ここでも歓迎の看板を作っていただいており有難い。バスに乗っている時間が長かったせいか、一同トイレをお借りするが、中国式従業員用のトイレを初体験。女性の方は大変だったでしょう。会議室で会社概要の説明を受け、工場見学。企画室、ドラムスキャナ室、生産管理室、刷版室、今の日本ではなかなかお目にかかれない色校正機4台。やけに人が多いと言う印象で、Macの前にも2人づつで、研修システムなのかとも思う。続いて印刷工場見学。オールハイデルベルグ製菊全4・5色機6台であるが、CIP3などはなく古い機械であるが、印刷物は捕らえどころをキチンと把握して、これなら日本大手広告代理店の仕事をやっていてもおかしくないと思う。印刷機のオペレーターも1台の機械に4、5人いてここも多いという印象。後で聞いた話で、人を沢山付けることによって早さを追求しているそうです。検品作業はお休みで、次に製本工場に中綴じ、平綴じ、上製本、トムソン、PP貼り、スポットコーティング用のシルク印刷機とここで、すべて生産できる体制。新工場の社屋も完成し、後は移転を待つのみ。新工場にはハイデルベルグ製菊全4色機2台発注済みで、三菱重工の塩崎さんは残念がっておられました。新工場稼働時にCTP導入。ページ物の面 付けなどクリアベースに大貼りをしていたと思ったら、一気にCTPに移行するあたり、中抜きの中国ですねぇー。その後もう一度会議室で質疑応答。昨年度売り上げ8000万人民元。従業員460名。人件費比率15パーセント。昼食後、国営企業の中華印刷へ。中国の印刷会社の90パーセントが国営という説明を聞いて、そんなに国営印刷会社は多いのかと思った次第でありますが、その殆どは設備も古く赤字企業で、生産効率もすごく悪いと言う話です。しかし、この中華印刷は別 物で、政府の重要工場だそうで、設備は最新鋭。ハイデルベルグ製A全版8色オフ輪2台、枚葉機ではハイデルベルグ製菊全4色プラス水性ニスUV乾燥機付き、小森製を含め7台の4・5色機を所有。疑問に思ったことが、4色機ばかりで1色物はどうするの?という質問をしましたところ、それは国営の1色機も持っている工場に外注だそうです。なるほど。製本工場はミュラーマルチニの上製本ライン機にはびっくり。上製本日産4万冊。日本製の昭栄の折り機も多数有り。ここの設備は明日見学予定の秋雨印刷とほぼ同じ。ここをベースに国営と外資系の違いを比較することおもしろいと思う。

昨年度の売り上げ1億人民元。従業員400名。件費比率12パーセント。オフ輪用紙に日本製のHiαが積んであり、キロ105円換算だそうです。旭洋紙パルプの山中さんの話では、輸出はメーカーから価格が安く設定されているとのことで、関税、増値税を入れてこの価格は安いのか?これより、デザイン会社組・少ロット対応印刷会社組に分かれて見学の為、バスとタクシーに分かれて見学。 良虹印刷若干29歳の劉社長は16歳から印刷会社に就職し、3年前に独立。現在ハイデルベルグ社菊4裁4色機を持ち小ロットにも対応しハイデルベルグ社菊半2色・1色も所有。三菱菊全4色機を契約。現場経験豊富な社長は仕事の流れを良く知っている感じ。機械でやること、人手でやること、微妙なやり方は印刷そのものを良くしっているなぁーと言う印象を受ける。

昨年度の売り上げ1500万人民元。従業員45人。人件比率10パーセント。売り上げの15パーセントが純利益。と言うことは社長の取り分3375万日本円。これなら菊全4色機も買えます。自分は29歳の頃何をやっていたのだろう?恥ずかしくて言えない。夕食会場の南伶酒家でデザイン会社組と合流。デザイン会社のHEARTEN BUSINESSは今回私は行ってはおりませんが、前回行っておりますので、その時のレポートを掲載します。前回より移転された新事務所と言う他は変わりないと思います。陳社長は10年間香港にてグラフィックデザインを勉強後上海に戻り、創業。家具、お酒、銀行、鉄工と中国でも指折りの得意先を持ち、Mac G4を7台駆使してデザイン業務及び印刷管理まで行う品質優先の会社。銀行のデザインマニュアル作例を見て一同感心。(このような状況だったのではないかと思われます。)京劇の事務所を改装した南伶酒家にて上海料理を楽しむ。体調が悪く、食事を受け付けない方が何名かおられる。それもそのはず今日が一番ハードな一日でした。宿泊は上海富豪東亜。

6月21日(金)

またまた雨。モーニングコール6時00分、7時00分朝食、8時00分出発。上海開発区10箇所の内の一つに位 置する上海西口印刷工場迄は、約1時間。1992年に中国資本20%日本資本80%の合弁会社として発足後、1995年に100%日本資本の会社となり、現在300名で印刷工程の自社完結体制完備の工場。現在の敷地は1万平米だが、1キロほど離れた5万平米の土地に8400平米の新工場。新工場は小森製A版輪転1台稼働中。輪転後3台増設予定。その他は特殊加工商品専用工場になっておりました。上海市内の営業事務所には30名の陣容で本社機能完備。20名の営業はすべて中国人で中国ビジネス(商習慣も含めて)は中国人に任せないと難しい問題が沢山有るのが現実。大阪が本社ですからさぞかし日本からの印刷物が多いと思いきや、為替変動等の要因であまり積極的でなく、広大な中国マーケットを見据えた事業展開に閉塞気味の日本の仕事よりもビジョンがあって良いなぁーと思う。年間売上高20億円。昨日までの2日間はボクシングにたとえるなら、ジャブでした。本日視察予定の3社で、参加者の皆さんを精神的にノックアウトする第一段階。西口印刷様は強烈なボディブローのカウンターではなかったでしょうか。昼食後、伊諾印刷?フォーム印刷・情報処理)ここにも私たちを歓迎してくれる看板有。会議室でパワーポイントで作成された会社概要をプロジェクターより会社説明。企画提案もすべてこの調子なんだろうと思う。10年前に香港の投資会社が設立。15000平米の土地に6500平米2階建て社屋。ここにミヤコシ製11色輪転等3ライン。コレーター等、自動洋封筒、窓明き洋封筒製袋ライン各1台、訳のわからない機械多数。(私自身あまりフォームの機械が詳しくなく、それに圧倒されてしまっている為、放心状態にて質問の気力もわかず。ご免なさい。)それから、中国移動体通 信の請求書発行処理システム。フォーム印刷機械で印刷丁合された請求書にインクジェットプリンターで印字後、カット、3折り、窓明き洋封筒に自動封入、お知らせチラシを4種入れる事が可能で、のり付けをしてでてくるまでは、用紙の補給のみが人手間。このシステムは日本では凸 版フォームズがやっているという事だそうですが、日本のトップ企業と同じ仕事をしていると言うことで、あの「やまとカーボン社滝本社長」が参りましたと、お一人ノックダウン。別 に携帯電話用ICチップの生産工場も見学。これはまだ採算に合っていないらしい。昨年度の売り上げ6000万人民元。従業員130名。皆さんここでのクロスカウンターと蒸し暑さによろよろ状態。 真裏のお隣に工場を持つ、最後の見学会社、秋雨印刷上海有限公司に向けて出発。三菱重工北京事務所、所長の佐藤さん以下2名のスタッフの方にお集まりいただき、通 訳等いろいろな説明を頂く。秋雨印刷様は台湾から1993年の進出企業で従業員165名。

今後の印刷機械の増設は、需要のバランスを考え対応していきたいとのことですが、機械メーカーの選択という点においては、ドイツ製、日本製他社と比べてアフターサービスが良く、安心出来ると言うことで三菱重工製品を選択していきたいとのこと。三菱重工現地スタッフの優秀さも含め、中国市場にかける会社の意気込みも感じられ、再認識しました。中国ではドイツ製品の信頼度は高く、クライアントの戦略上ハイデルベルグ社印刷機を導入しておかなければいけないと言う事情も有るようですが、その神話も崩れるかもしれない。先程ノックダウンした滝本社長、チャールズ・ブロンソン似の蘇國慶総経理と再会(1月に訪問済み)すると復活。好久不見了よろしくお土産に蘇國慶総経理の顔を舞妓さんに換えた名刺をプレゼントし、大変喜ばれておりました。活発な質疑応答でしたが、蘇國慶総経理の真面 目に真剣に対応していただけたことに、満足していただけたのではなかったでしょうか。昨年度年間売り上げ28000万人民元。皆さん全員ここでノックアウトの予定だったのですが、人間の対応能力はすばらしく、慣れと、ようやく終わったという安堵感で晴れ晴れとした表情が、印象的でした。これなら日本に帰ってもきっと良い成果 をご自分自身の会社に活かしていただけるのではないかと思います。 夕食は河久という日本料理店。秋雨印刷の蘇國慶総経理、三菱重工北京事務所、所長の佐藤さん以下2名のスタッフの方もご一緒にひさしぶりの日本食を堪能しホテルへ。宿泊は昨日と同じ上海富豪東亜。陸上競技場の中にあるホテルで、部屋の窓からは競技場の施設しか見えない。

6月22日(土)

ようやく雨から解放され、天気は薄曇り。当初予定の上海博物館見学は日本へのお土産を購入したいと言う意見が多い為キャンセル。ちょうど4階展示場は展示物の入れ替えの為に休館中でもあり、全部見られる時にでも行っていただければと思います。上海の銀座のような淮海中路を散策。お茶、漢方薬等のお土産を仕入れて浦東空港に向けて出発。手荷物検査時に、靴まで脱いで検査器に通 したのは初めての経験でした。JL794便、所要時間1時間45分で、関西空港6時着。スムーズな通 関後、ロビーで逐次解散、家路に。皆さんホントにお疲れさまでした。今回比較的、若手後継者の参加が多く、真面 目に勉強して自分の会社をどういうようにしていこうという思いが伝わってきました。中国の若い経営者を見ても刺激になるでしょうし、彼らが、今日何をしなきゃいけないかを、的確に指示をする姿勢も参考になったことと思います。若い方達のネットワークも出来たみたいですし、私たちの予想以上の成果 が残せたかと思います。近畿地区印刷協議会の中の滋賀県印刷工業組合は付属品みたいな状況ですが、このような事業ででも存在意義を示せればと思っています。中国人研修生制度を利用して、安い人件費を自社に導入する。というのも印刷工組で出来る組合事業であります。印刷工組に入っているメリットにもつながる事業かもしれません。今後ともどうか宜しくお願いします。

参加者の声

明文舎印刷商事株式会社 代表取締役社長 中村 彰男 様

いろいろとありがとうございました。特にいろいろとワガママな行動をして、本当に申し訳ありませんでした。4月に初めて上海へ行ったばかりの、まだ二ヶ月の中国新米ですが、前回にも増して今回は田中様のお陰で非常に濃い時間を過ごせました事を、心より感謝しております。あまりにも切り口が多い国なので、一つの切り口から全てを語る事が出来ないこと。同じ切り口の情報は必ず複数のチャンネルから仕入れないと痛い目に遭いそうな事。等々・・結局最後は人間に行き着くんだなと強く感じました。仕事はどんな風な形で浮かび上がってくるのか、まだまだ分かりませんが、楽しむ心は忘れずにいたいと思います。体の方は、日本にいても年中が時差ボケのような生活をしているので、至って元気です。今回は帰りまでお世話になり本当にありがとうございました。何となく秋の気配がする、不思議な今日の日曜日でしたが日本も美しい国だと感じています。是非一度弊社にも遊びに来て下さい。いつでもお待ちしております。
下次再見

国進印刷株式会社  専務取締役 建石 洋一 様

今回の視察では、大変お世話になり有り難うございました。お陰様で、中国内の同業社のレベル・環境・経営者の意識・社会状況等々、随分勉強させて頂きました。 お陰様で、滞在中、帰国後も体調を壊すことなく過ごさせて頂きました。飲み過ぎ・食べ過ぎで下し気味ではありましたが・・・(^_^;) 。今回の訪中を機に中国と何某らのビジネスシップを持てたらと思っております。バラエティに富んだ見学先から見聞きさせて頂いた事と、最終日前日午後に勝手させて頂いた時に肉まんの縁で偶然、上海の権力者層の方との出会いがあったりと、何かと収穫の多い旅でした(笑)。近くて遠い国ではありますが、今の?ふんずまった?日本にとっては非常に刺激的な国で、色々と国民性の違いや、習慣の違いからスムーズとは行かない事も多いとは思いますが、中長期的にお付き合いさせて頂こうと思っております。また、これを機会にご近所の業界人と言うことで、末永いお付き合い、宜しくお願い申し上げます。明日から、通 常業務ですが、旅行のお疲れなど残されないように、ご自愛下さいますよう、お祈りします。ありがとうございました。

株式会社ダイシンコラボレーション 吉田 匡廣 様

今回の視察旅行での大役、本当にお疲れ様でした。そして初めて見る中国をコーディネイトして頂き、感謝しています。今回の視察では、中国(上海)の中にも素晴らしい技術・労働力を持った印刷会社があることを知ることができ、中国という国が持つ可能性をほんの少しではありますが、知るきっかけができたように感じます。この体験を無駄 にしないよう、おそらく近い将来(もうすでに!)アジアの良きパートナーであり、ライバルになる中国に関心を持ちながら、日頃の業務を頑張りたいと思います。今後もどうぞ良きご指導いただけますよう、どうぞよろしく御願い致します。また、田中印刷所様の今後ますますのご発展をお祈りいたしております。PS.バスの中でお話くださる中国の情報や話が私には結構参考になりましたよ。私はアル・パチーノの映画を見るたびに社長さんの顔を思い浮かべるでしょう!中国語講座も早速見てみます。

三菱重工近畿販売株式会社 次長 塩崎 満 様

大変お世話になりました。 現代の先端技術と30年前が隣り合せで同居し、広大な土地とエネルギッシュな上海を見て貴FAXご記載の通 りであります。ともあれ、我々もじっとしているわけにはいかず今回習得した情報を糧にもう一度自分の足元と明日への計画を見直してみたいと思います。本当に有難うございました。取り急ぎお礼を申し上げます。

旭洋紙パルプ株式会社大阪本店 洋紙部第2課 山中 勝実 様

事前にお聞きしておりました通り、ハードな内容でありましたが、初めての中国、海外企業を見る機会を作って頂きまして大変喜んでおります。視察イコール観光との風潮の中、田中社長が企画されたこの旅行は大変素晴らしい物と感じました。これを今後の紙の営業に生かしたい、いや生かせると考えております。本当に有難うございました。

日本インキ化学工業株式会社 京都支店 吉木 一郎 様

このたびは大変お世話になりまして、ありがとうございました。この4日間、ほんとに密度の濃い内容でとても有意義なツアーだったと感激しております。 さて、機中でのアンケートが未提出でありましたので、メールにて提出させていただきます。

今回のツアー参加した感想について

まず、世界中の資本家が注目している上海が、日本からこんなに近い距離にあることが驚きでした。そして、その上海が50年の遅れを一気に取り戻そうと、急速に発展しようとしているを肌で感じ、感激とともにある種の焦りを感ぜざる得ませんでした。おそらく、貧富の差が激しい分、能力があればいい生活ができる。その上を目指そうとするパワー(日本に欠けている?)が、みなぎっているのではないかと思いました。次に、今回見学をさせていただいた印刷会社ですが、印刷品質はともかく、設備面 では日本と変わらないレベルまで来ていると考えます。今後5年でどこまで発展してくるか、大いに注目していかなければならないと思いました。
最後に、これから中国の印刷会社の発展が日本の印刷市場に対して、どのような影響を及ぼしてくるのか、真剣に考えないといけない時期になったのだと、つくづく考えるツアーとなりました。
今後に参加したいツアーやはり、方正電子と、上海に進出してくるダネリー社の動向が気になります。

溝端紙工印刷株式会社 取締役部長 溝端 正 様

この度の研修旅行では本当にお世話になり有難うございました。私自身、別業界から家業に転職し、右も左もわからないまま1年が過ぎようとし、又、弊社の今後の企業としての方向性等々についても模索していた折、今回のような密度が濃く、メンバーの方々も素晴らしいい方ばかりの研修に参加させていただけたことを本当にうれしく思っております。今回、初めて中国を拝見致しまして、人々のパワー、国民性、雄大な国土等々・・・自分自身興味深々な国であることは間違いございません。今後ともなにか関わりをもって、是非近い将来大きな何かを掴み取りたいと存じます。御社におかれましても、益々のご活躍をお祈り申し上げます。取り急ぎお礼まで。時節柄お体ご自愛くださいませ。
追伸:便乗して購入させていただきました中国のお茶は、本当に好評です。家内からも紹介下さった田中社長にくれぐれも宜しくとの伝言を預かっております。

不二印刷株式会社 常務取締役 井戸 剛 様

上海滞在中は、大変お世話になりありがとうございました。大変ビックリしたとともに、今後の可能性を感じました。早急に手を打たなければと考えております。また、近いうちに大連など、日本語の入力出来る可能性の高い地域を訪問したいと思っております。まだまだ頭がまとまっておりませんが、田中社長の献身的な姿に頭が下がる思いです。
また、機会があれば宜しくお願いいたします。

青葉印刷株式会社 依藤 孝行 様

この度の中国旅行では、大変お世話になりました。
田中様に色々とご説明いただき、またお世話いただき、ありがとうございました。今回ツアーに参加いたしました動機は、中国の印刷事情を知りたいと言うことと、日本での我々の現状改善のヒント得る目的が多くを占めますが、私自身の仕事に対する惰性感を打破したいと言う事も参加させていただいた理由の一つです。その惰性感と言うのは、バブル崩壊の後、売上のダウンに悩んでおりましたが、営業体制を立て直しこの3~4年安定した状態が続いており、色々な改革も行いひと通 りの事ができたと思い、次に進むことに対して少し倦怠感を覚えておりました。
今回の視察で技術水準は、日本とほとんど変わらない所まで来ており、もう少しすると追い抜かれてしまう気がします。ただ、まだ経営面 においては、緻密さが欠けているような気がします。今後より緻密な経営と生産の高効率を可能にすると、日本は間違いなくすべての面 で負けてしまうような気がします。 視察旅行の中で経営面の緻密さが足りないと思いつつ、ふっと自社を振り返ると自社も緻密にやってきたつもりだが、まだまだ緻密な経営からは遠いのではないかと感じ始めました。
惰性感や倦怠感にひたっている時ではないのではないか。
また、がんばって経営をやらねば負けてしまうと言う危機感を感じ原点からもう一度見直す気になっております。
最後に、田中様に色々お世話いただいた事に感謝の気持ちでいっぱいです。 本当に有難うございました。
追伸
今後どのようなツアーに参加したいですか?と言うご質問ですがいろんな国の印刷会社を見て回りたいと思います。

株式会社甲南堂印刷 部長 水落 充 様

上海印刷事情視察旅行に参加させて頂き、有り難うございました。いろいろお世話になりました。中国印刷事情の知識が、自分なりに多少でも理解できた部分があったと思います。
中国と日本の市場の違いはあるにせよ、訪問会社の若い社長さん方の考えや精神は、本当に参考になりました。今回の視察旅行で学んだことを仕事に生かしていければと思っています。ただ最終日の質問にもありましたように、方正電子のソフトについて、もっと多くの会社が使用しているのではないかと、思っていましたが、新聞社や出版社に限られているということで少し思惑がはずれたように思います。それとDTPではMacのイラストレーターがメインというのも驚きました。DTPについてもう少し視察できればと思います。
最後に、こういう海外視察のチャンスがあれば、またよろしくお願いします。 本当にお疲れ様でした。

あさひ高速印刷株式会社 営業部 岡 達也 様

大阪のあさひ高速印刷の岡です。今回の視察ではお世話になり、本当に有り難うございました。見学の対象にしている会社の選択が、実にうまく選ばれていることにツアー途中から気づき感動しておりました。また、社長がバスの中でお話になるコメントがまた興味深く、素晴らしいコーディネートに本当に感謝しております。
百聞は一見に・・とは良くいったもので、社長からのメールにもありましたが、変なボディーブローを食らっております。
・最新設備と人海戦術が共存する生産現場
・右肩上がりの経済を謳歌する庶民と、向上心の高い若者たち
・急成長が約束された巨大市場とそれに対しひたすら前向きな経営者
という、日本ではまずお目にかかれない、私にとっては「なんじゃこりゃ一体・・」というしかない見聞をさせていただくことができました。
今後どのように中国を見ていけばよいのかは考え中です。この中国やW杯に沸く韓国を見た後に、今の日本は・・と振り返ると少々考え込んでしまいますが、事前アンケートにもありました、「元気をもらいに来た」という設問があった意味が今になってよく解りました。良い機会に参加させていただいたな、と感謝しております。本当に有り難うございました。今後とも宜しく御願い申し上げます。メールで失礼いたしました、取り急ぎお礼まで。

やまとカーボン社 代表取締役社長 瀧本 正明 様

お疲れ様今回もまたまた、中国にしてやられた、上海許諾の情報処理、今日本で一番仕事の伸びている分野で、輪転機にインクジェットを2機も搭載して、明文の彰男君、俺突然頭をどつかれた。たった10年の会社、彰男君いわく副社長の姉さん、社長は香港資本で、投資と目の付け所が違う、それと松岡グループと、とても友好関係が有る、松岡は大阪の野崎工業と合弁している、日本のフオーム関係の情報もしっかり掴んでいる所はたいしたもんや、彰男君は今回ビジネスになる案件にてごたえを感じ又直にいくそうです、松岡は中国で一番のフオーム印刷会社らしい、機会が有れば私も同伴したい。
又立石、伊藤君もとてもいい人に出逢い再度訪中するそうです、この様な企画をして頂いた由さんに皆がお礼言っといてと感謝してました。又サミットを開催する時声を掛けて下さい。有難うございました。

愛知印刷株式会社 宮川 ひずる 様

今回の上海視察旅行におきましては、本当に何かとありがとうございました。 私にとって、本当に刺激になる予想以上に楽しい研修となりました。久しぶりに訪れる上海は、以前私が訪れた時以上に発展しており、これがあの中国なのか!と本当に驚きました。また、上海の印刷会社を訪れるたびに、どんどん大きくなる規模と印刷業界関係者の熱意にただただ驚くばかりでした。 最後の秋雨印刷にはとどめをさされたように感じました。これからどんどん伸びていくであろう、中国のマーケットに対して多くの方が魅力を感じられていたのではないかと思いました。
今回はDTP関連は1社しか見学することができず、少々残念ではありましたが、もし森野社長が許してくださるなら、DTP関係の会社をまた見学してみたいと思います。
本当に有意義な視察旅行でした。ありがとうございました。

デザインスタジオ9 代表取締役 福島 九子 様

先日は大変お世話になりました。ハードスケジュールの中、大勢をまとめられるのは大変だったと思います。お疲れは出ませんでしたか?
海外の印刷会社の仕組みを前々から見てみたいと思っていましたので、今回大変勉強になりました。想像以上の設備にびっくりさせられっぱなしでした。 日本も負けてはいられませんね。印刷の“外注”とかを考えるにはまだまだ問題も多いようですが今回得るものも多く参加してよっかたと思います。
やはりもう少しデザインの会社を見てみたかったとは思います。中国でのデザインの仕事は今は考えていませんが、よくマネと言われる中国のデザイン。デザイン会社の仕事にたいする意識がどこまであるのかが知りたかったです。マネでもいつか本物になると思います。MAC G4が並んでいたのに驚きました。貿易会社の仕事で、中国にデーターを送るようなことがありますがなんか中国が近くなったように思います。本当にありがとうございました。

参加者名簿

株式会社 永昌堂印刷 北村 修久 専務取締役
愛知印刷 株式会社 宮川 ひずる 企画部
有限会社 下村印刷所 下村 郁夫 専務取締役
明文舎印刷商事 株式会社 中村 彰男 代表取締役
鈴木印刷所 鈴木 正造 代表取締役
西岡総合印刷 株式会社 石橋 英二 代表取締役
溝端紙工印刷 株式会社 溝端  正 取締役部長
関西印刷 株式会社 田中  浩 代表取締役専務
株式会社 やまとカーボン社 滝本 正明 代表取締役
国進印刷 株式会社 建石 洋一 専務取締役
青葉印刷 株式会社 依藤 孝行 代表取締役
不二印刷 株式会社 井戸  剛 常務取締役
あさひ高速印刷 株式会社 岡  達也 営業課長
株式会社ダイシンコラボレーション 吉田 匡廣
水山産業 株式会社 水山 勢次 代表取締役
株式会社 甲南堂印刷 山本 正治 常務取締役
株式会社 甲南堂印刷 水落  充 部 長
株式会社 吉本宝文堂 吉本 憲昭 代表取締役
エス・ピー・シー栄町印刷株式会社 道上 順一 代表取締役
デザインスタジオ9 福島 九子 代表取締役
株式会社 旭成社 土谷  創 営業部
株式会社 斎藤印刷 斎藤 省三 会社役員
新日本印刷 株式会社 伊吹 睦夫 部 長
松波印刷 株式会社 谷垣 義弘 工務課
株式会社 大熊整美堂 須田 純司 課 長
合資会社 四ヶ所印刷所 四ヶ所 勝 代表取締役
ソニー生命保険 株式会社 伊藤 克哉 大阪LPC
三菱重工近畿販売 株式会社 塩崎  満 印刷機械部次長
大日本インキ化学工業 株式会社 吉木 一郎 京都支店インキ課
旭洋紙パルプ株式会社 山中 勝実 洋紙部課長
有限会社 田中印刷所 馮  鈞淞 滋賀大学留学生
有限会社 田中印刷所 田中 由一 代表取締役

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▲影天印刷有限公司本社前にて記念撮影。熱烈歓迎されてます。

第1回 上海(2002年1月31日〜2月3日)

◆2002年1月31日(木)

早朝5時45分に株式会社永昌堂印刷様に彦根チームは集合。この日は非常に寒く小雪混じりの天候で関空までの道中が心配される。雪も八日市市をすぎるころから無くなり、後は事故の心配だけであったが、集合時間の15分前に無事関空団体集合出発ロビーに到着し、JTBの西村さんと合流。8時30分までにこの日の出発組13名全員そろい上海に向けて出発。10時30分発JL793便はほぼ満席で、海外旅行が不振と言われていても、この路線は違うようだ。上海浦東空港に10分遅れで無事到着。やまとカーボン社滝本社長を除きスムーズに通 関。先発で青島からの奈良アイプリコム社長中西さん、許さんと合流。そして、香港三菱重工の大塚さん、沈さん、上海のコーディネーター役の馬さん、袁さんも合流して、19名の大所帯で、上海印刷企業の中でも上位 に位置する界龍印刷に向けて出発。グループ企業8000名、PS版の自社工場も完備し、そのグループの龍桜彩 色制版有限公司を見学。東京の池端包装さんと1991年に合弁し、製版のノウハウ等は恒陽社の技術指導により日本製品と遜色ないものが出来る環境を整備。印刷機はハイデルベルグ社製、三菱重工製菊全版4色・5色機を完備。隣接する界龍印刷本社工場も引き続き見学。印刷体制は2直20時間交代のシフトで、印刷単価、人件費、経常利益、等質問のなかで、中国印刷事情を少し理解して頂けたのではないかと思います。

次に、7年前より香港から進出した、アメリカ系中国人社長の豪森印刷有限公司を見学。上海工場は100人規模で重慶にも最近新工場建設。アメリカ流合理的感覚の経営方針に皆さんの戸惑いが見受けられる。得意先には松下、ソニー等日系企業、コダック、ビュイック等アメリカ系企業からの受注は品質の高さをうたい文句にするだけの事はある。印刷機は三菱重工製菊全版4色機2台。製本機に、中国製の折り機等が見られた。寒くても工場には暖房設備もなかったのだが、アカギレの手をした女の子がいても彼女たちの待遇は良いという、葛社長独特の方針に一同納得したような、しないような状況であった。印刷体制は2直24時間交代のシフトである。日がどっぷり暮れる6時頃まで見学し、夕食会場へ。紹興酒が気分を和らげるなか、自己紹介で懇親を深めて行き、その後ホテルにチェックイン。

◆2月1日(金)

8時にホテルロビーに集合し、大阪に本社を持つ日系企業西口印刷有限公司を見学。1992年に中国資本20%日本資本80%の合弁会社として発足後、1995年に100%日本資本の会社となり、現在300名で印刷工程の自社完結体制完備の工場。現在の敷地は1万平米だが、1キロほど離れた5万平米の土地を確保し、8400平米の新工場を予定されている。上海の輪転印刷機導入は一番早く、立ち上げから、ここに来るまでのご苦労は計り知れないものがありますが、総経理今井國雄様、小森印刷機出身の松島副総経理の力が大きい事は言うまでもないと思います。工場は、見ていても安心出来る日本の印刷工場で、B2輪転機2台、B3輪転機1台、平台機が小森製リスロン菊全から菊半裁まで7台位 。売上の50%近くが、大手スーパーマーケットの広告。見本として上海日本人向け情報誌「上海ウォーカー」をいただきここで印刷しているんだと感心してしまった。ちなみにYAHOOの検索で上海を入力するとこのサイトが一番に現れる有名ホームページである。従業員300名の中で、日本人は5名。若い従業員さんは上海は結構暮らしやすいのでもう日本には帰りたくないようなお話しが印象的でした。ここまでに中国系、アメリカ系、日系の印刷会社の会社業態を見る内に、中国印刷レベルの高さに参加者の皆さんの認識がほぼ変わったのではないかと思います。パークホテルにて日本人好みの中華で食事後、佳文印刷さんを見学。如何にも下町という風情に会社周辺を見ているだけでも楽しい。40名規模の会社で、日系企業とのお付き合いも多く、晨煕広告という別 会社もありデザインから製本まで完備した会社である。ハイデルベルグ社菊半裁4色・2色機各1台リョウビの軽オフ1台。イメージセッターはスクリーン製のカタナという機会が導入されていた。小さい規模ではあるが、工夫が随所に見られ昨日から見学している大きな印刷会社と違って何故かほっとする会社であった。皆さんの中国の印刷会社のイメージに一番近い会社ではなかったか。本日最後で、デザイン会社のHEARTEN BUSINESSを見学。陳社長は10年間香港にてグラフィックデザインを勉強後上海に戻り、創業。家具、お酒、銀行、鉄工と中国でも指折りの得意先を持ち、Mac G4を7台駆使してデザイン業務及び印刷管理まで行う品質優先の会社。銀行のデザインマニュアル作例を見て一同感心。

上海市淮海中路の襄陽服飾礼品市場またの名を偽物市場を見学。ブランドコピー品の激安商品を買うも好、眺めるだけも好。皆さんちょこちょことお買いになってました。

夕食は、玉葱のようなテレビ塔下のレストランで、外灘を見ながらの食事。デザイン会社HEARTEN BUSINESSの陳社長もお見えになって、乾杯、一気飲みの嵐ですごい盛り上がり。紹興酒の空き瓶を見ただけで気が遠くなる。ここの酒代は団長の永昌堂印刷株式会社北村社長さんに出していただき、感謝致しております。それにしても皆さんホントに良く飲む。

◆2月2日(土)

早朝8時にホテルロビー集合し、中国人研修生送り出し機関の崇明国際経済技術合作有限公司見学に出発。ハードな日程、睡眠不足と中国に来ている感覚ではなく、何処に来ているのだろうと言うような、頭の中がごちゃごちゃになって、皆さんに疲労の色がかなり見える。崇明県は特別 開発区に指定され、ここに進出した場合にも税制面で優遇される。上海周辺には10個の開発区があるが、一番有利な開発区である。ここは島で渡るのに船で1時間程かかるが、この辺の不便さも有利な条件となっているのかもしれない。中国人研修生の詳細をお聴きし、2月10日頃に日本の縫製工場に向けて出発する女の子の日本語研修風景を授業参観。2ヶ月ほどの研修で日常会話が出来るようになる位 までにするそうだ。若い事と、集中力は何でも可能のような気がする。島の進出企業を車の中から見学し、昼食。昼食時にも崇明県の特別 開発区についての説明があり、進出はまだ可能という感触をつかんだ。帰りも車は桟橋横付けのVIP待遇と超高級中華料理のおいしさに一同感激。帰りの船は高速船で40分程度にて上海に戻る。ここから最後の見学会社、秋雨印刷上海有限公司に向けて出発。高速道路の停滞で遅刻をしてしまう。三菱重工香港総経理の宇都宮さん以下5名のスタッフの方にお集まりいただき、通 訳等いろいろな説明を頂く。秋雨印刷さんは台湾から1993年の進出企業で従業員165名と言えばたいしたこと無いと言う感じだが、この完成直後の新工場は、参加者の度肝を抜く最新設備でここまでするか?と言う衝撃で口をあんぐりされていた方も多かったようです。和歌山から参加の西岡総合印刷劉影さんは「私こんな事務所で働きたい、すごくいいです。」と言うような感想でした。私が、履歴書出しておけばと言っておりましたが、私は石橋社長にお世話になっているので、そんな事は出来ません。と返事があり石橋社長ご安心を。受付ロビーはまるで美術館のロビーのごとく、事務所はアメリカ映画の1シーン出てくるがごとく、工場を見ればあまりの広さに機械の大きさが全然判らず、ここが本稼働すれば大変な事になると言う感じで、これから進出してきても私たちにかないますか?と言うすごい自信を感じました。特に印象に残ったのがハイデルベルグ社・三菱重工社製のA版輪転印刷機で現在は16頁仕様ですが、今後2台とも今ある機械の上にも1台増設して、32頁仕様にということでスケールの違いを見たような気がします。今後日本からも、書籍、月刊誌の印刷が流れてきても不思議は無いでしょう。製本も日本製の中綴じ、平綴じのラインが完備。枚葉印刷機も小森製、三菱重工製多数あり、初めて中国製の印刷機も見学出来た。この工場で、165名の従業員でオペレーションするというのもすごいという思うが、人件費の安い中国に於いても、自動化を推し進めていき、総売上の中の人件費比率7%を達成。現在、北京にはこれと同規模の工場、南京には営業所を建設中との事である。やまとカーボン社滝本社長は秋雨印刷台湾本社を見学されてましたが、本社よりすごいとのお話しでした。会社社屋の設計は台湾からアメリカで勉強された設計会社に依頼されたそうで、このモダンなデザインは中国の感覚ではないなぁーと思いつつ、中国でも、これが受け入れられる土壌が出来てきたのだと思う。秋雨印刷様の最新印刷機械は輪転、枚葉機を含めて三菱重工製、豪森印刷有限公司、龍桜彩 色制版有限公司も同じく三菱重工製。中国進出は遅かったと聞くが、何処の印刷会社に聞いてもドイツ製、日本製他社と比べてアフターサービスが良く、安心出来ると言う意見が多かった。三菱重工現地スタッフの優秀さも含め、中国市場にかける会社の意気込みも感じられ、認識を新たにしました。夕食は、遅くなってしまいましたが、上海でも1番のビジネス街、官庁街にある森ビルの最上階日本食レストランで会食。秋雨印刷陳総経理、蘇副総経理、日本の印刷会社との合弁企業上海友木強洪印務有限公司の方、そして三菱重工の皆さんと楽しい会食でありました。日本料理、日本酒で最後の夜と言う事もあって気がゆるみ少し飲み過ぎてしまいダウン。玉 葱のテレビ塔、上海で1番高いセンチュリーハイアットビル、外灘を眺めながら、最高の場を設営していただいた三菱重工さんにはホントに感謝します。本来、上海スタッフとのミーティングあったのですが、ダウンしてキャンセル。そして、皆さんが何処に行かれたのかは、判りません。この日、印刷関連業界とは別 で参加いただいております、一圓テクノス株式会社、一圓専務さんは上海ダイキン工業、建築設計会社の株式会社RIAにいかれて、上海で設備施工図を作製が可能かどうかの調査に行かれておりました。西岡総合印刷株式会社石橋社長は、上海にお兄さんがいらっしゃるために別 行動でした。

◆2月3日(日)

この日は、見学もなしで、ゆっくりの9時30分に集合。ホテルでは日本のNHK BS2放送が見られるためその時間と、現地時間を間違えて、早く集合と言う事がありました。逆だと困るけど、早い分には有難い。本当は骨董市などを見学して、空港に行く予定でしたが、上海の銀座のような淮海中路を散策。お茶、漢方薬等のお土産を仕入れて浦東空港に向けて出発。この日、奈良アイプリコム社長中西さん、許さんは全日空機便で出発時間が早いため別 行動。JL794便ジャンボ機満席で、関西空港6時着。またまた、やまとカーボン社滝本社長を除きスムーズに通 関。サングラスが問題ではないか?(笑)ロビーで解散後、家路に。

参加者の声

株式会社アイカ 渡邉 照雄 様

あぁー………………疲れた! 上海視察ありがとうございました!
出かける前から風邪気味でしたが、昨日は仕事に成らず。
今日からエンジン全開。今後とも公私にわたりご指導ください。

やまとカーボン社 代表取締役社長 瀧本 正明 様

この度の視察は私の中国を見る人生観が360度変わりました。今迄何度も中国観光旅行のお話は有りましたが今回中国へ行って、なんでもっと早く行かなかったのか後悔してます、また今回の印刷会社ばかりの見学はツアーでは体験出来ませんツアーでした、又色々な方にいいたい放題、したい放題好き勝手にさせて頂きました無礼講はお詫び申しあげます。 これに懲りず反省会には声を掛けてください、もし良ければ京都で一泊コンペでも結構です、早い目に言って頂ければ段取りします。 今回の視察旅行ありがとうございました。

西岡総合印刷株式会社 劉  影 様

上海印刷関連企業視察旅行 大変お世話になりました。 いい思い出がたくさん出来て、とても楽しい旅でした… 本当に疲れました。骨までも…次回ツアーはDTP部門を中心に企画してくだされば、とてもすばらしい企画だと思います。縁(円?)があればぜひ参加させて下さい。 今回で見たところは日本企業でも、合弁企業でも、台湾の企業でも、膨大な設備投資は大きな比率をしめていますが、しかし、投資が少なく、前工程だけで、これらの投資の巨人と勝負して、どうやって、勝てるか…というプランを頭の中でイメージして、胸がわくわくします…

今回は、あっという間の4日間だったと思います。たまたま、日本側のパートナーであります呂さんと知り合った事。呂さんの幼なじみの上海側のパートナー馬さんの協力無くしては今回の視察は成功しなかったと思います。有り難うございました。私は、3月に上海に行き次回のDTP関係を中心とした会社を下見して参ります。やまとカーボン社瀧本社長様より京都印刷工組青年部も次回のツアーに参加させて下さいとの事もあり、反響の大きさと満足頂けたのではないかと思っております。今後は、中国人研修生の受け入れ母体造りを押し進めて参りたいと思っています。皆様のご協力宜しくお願いします。最後に、団長として数々のリーダーシップと助言いただきました北村社長ご夫妻には感謝致します。
そして沢山のご縁が出来た事、有り難うございました。再見。
有限会社田中印刷所 代表取締役 田中 由一

参加者名簿

株式会社 永昌堂印刷 北村 昌造 代表取締役
株式会社 永昌堂印刷 北村 妙子 取締役
宮川印刷 株式会社 宮川 芳夫 代表取締役
愛知印刷 株式会社 森野  隆 代表取締役
有限会社 下村印刷所 下村 郁夫 専務取締役
西岡総合印刷 株式会社 石橋 英二 代表取締役
西岡総合印刷 株式会社 劉   影 翻訳部
株式会社 アイプリコム 中西  知 代表取締役
株式会社 アイプリコム 許  東暁 奈良女子大学
株式会社 アイカ 渡邉 照雄 代表取締役
株式会社 やまとカーボン社 滝本 正明 代表取締役
三菱重工近畿販売 株式会社 内村 建治 印刷機械部
一圓テクノス 株式会社 一圓 外志夫 専務取締役
有限会社 田中印刷所 田中 由一 代表取締役